
ガラパゴス感動の旅から早2週間、未だ興奮冷めやらず。
あんなところがまだ地球上にあったなんて、普段こんな生活をしていると夢にも思わないもんである。早く
写真をアップせねばと思いながらも、今日は緊急事件が起きたので、こちらのほうをちょいと先に・・・。

今日は日曜日♪
あさ、夫は郵便を取りに出たらあまりに気持ちが良いので、
「ちょっと散歩に行ってくるよ。」というではないか。珍しい。
でも先日「朝の散歩が脳の活性化に一番!」とかいうのを夫は本で読んだらしく、早速実行ですかぁ?!と内心思いながらも、
「そう、じゃっ、ついでに焼きたてパンでも買ってきてねぇ〜。」とちゃっかりお願いしてしまう私。
そして子供部屋から突風が舞い込んできて
「ボクもいくぅ〜!」と我が家一番の早起き鳥の下の息子が夫について出て行った。
まぁなんて皆物好きな、と思うのは私だけかしら?せっかくの日曜日、早く起きちゃうなんて勿体無いじゃないですかねぇ、(寝てるほうがもっと勿体無い?!)と私はいつも意地でもゴロゴロを決め込むのだが、爽やかな風が窓から入る今朝は一段と気持ちが良い感じ・・・。やっぱ私も起きよう♪

昨日はナイアガラへ
日帰りで行ってきた。疲れがちょっと残っている感じだ。運動不足の身体は何かと疲れが溜まりやすい・・・。今日はテニス日和。久々にやるかぁ〜??と気合を入れようとしていたところ、
玄関を誰だかけたたましく鳴らす者がいた。それだけでは飽き足らず、ドンドンドン!!とドアまで叩くではないか。息子かな?
ずいぶんせっかちなんだから〜と階段を下りて玄関へむかう。
ドアを開けるやいなや、血相を変えた息子が息を切らしながら、
「ママ!大変、大変なの!!うさぎがそこで事故にあって血が出ていて早く車で来て!!」
私は一瞬状況があまり把握出来なくて、事故で血が出ている、という言葉で夫に何かあったのかと血の気が引くのを感じたが、うさぎ??うさぎって言ったよね?
「まだ生きてるの!まだ助かるかもしれないから早く!!」
息子のあまりにも真剣な様子にせかされ、事故に遭った血まみれのウサギを想像して運搬用のダンボールとバスタオルを用意した。その後どうしたものかと思案しながらもペットボトルの水やガーゼ、包帯などをあたふたと
バッグに詰めていたら夫が帰ってきた。
夫は「とんだ散歩になっちゃったよ。」と困ったようにつぶやき状況を私に説明してくれた。
散歩でパン屋へ寄って帰る途中、車の多い道の真ん中から何か布のようなものがコロコロ転がってきて、なんだろうとよく見たらウサギだった、ということだ。転がっている時、白黒していたので目についたということだが、後で白い部分はうさぎのお腹で、黒いのは灰色の背中の部分だったと判明。まさに車に引かれ、飛ばされた直後を目撃したようだった。近寄ると、まだ目を開けて、息をぜいぜいしていたので、とりあえず車道の脇の茂みの中に移して来た、という。
そのウサギを息子は「早く助けにゆかなくっちゃ!!!」というのだ。
私と夫は顔を見合わせながら、内心どうしようか、と思案していた。野生のうさぎだし、車に引かれていてもしも内臓がやられていたらもう助からないんじゃないか、と思ったからだ。家に連れてきても手当てもしてやれないだろうし、獣医に連れて行った所で診てくれるかわからないし、こんなことは
子供には言えないが、例え診てくれたとしても高額な
治療費を支払うハメになるかもしれない。(動物は保険が効かないから緊急初診はきっと$500ぐらい請求されそうだし、手術なんてしたら$1000はくだらないよね?!)そんなことも脳裏にかすめながら、でもまだ助かるかもしれない命を見殺しにすることは出来ない。
たまたま出た散歩でたまたま遭遇してしまったウサギの交通事故。
息子は絶対に助ける!と言い張る。そうだ。こんなことを考えている暇はない、早く獣医に連れて行こう、と意を決して皆で車に乗り込んだ。
ウサギを置いてきたという茂みに子供達が駆け寄る。死んで居たらどうしよう。そうしたらフラッフィーの側に埋めてあげよう。そんなことも覚悟しながら子供達について恐る恐る駆け寄った。
居ない!置いたはずのウサギが居ないのだ。
私と夫は内心すごくホッとして、「ああ良かったぁ!きっと大したことなくて自分で何処かへ行ったんだよ。」といいながら茂みのあたりを見回してみた。その瞬間夫が「あっ、やっぱり居る・・・。」
ウサギは茂みの少し奥の草陰にやはり苦しそうに横たわっていた。自ら少しでも身を隠そうとして、奥へ転がったのだろうか・・・。痛々しくて私は直視出来なかった。ここでまた「どうする・・・。」
ここでそっと死ぬのを見守ってやるか、無理にでも動かして病院へ連れて行くか。息子は当然のように「病院に連れて行く!」と譲らなかった。この時点で私と夫は覚悟を決め(
銀行にお金あるかなぁ?)用意したダンボールのベッドにウサギを入れ、すぐ近くの獣医へ行く。休みだった。次は10分位走って、前にハムスターのフラッフィーを診てもらった獣医へ走る。
車中、子供らに、これは事故だからしょうがないんだよ。ここで死ぬのもこのうさぎさんの運命かもしれないし。(こういう時だけ運命論者になる私)でも最後にあなたたちに出会えてこのウサギさんはとても幸せだったと思う。こうして命を救おうと必死で走り回ってくれるあなたたちがいて。あなたに見つけられなかったら、そのまま車の沢山走るてんてん干しの道路脇で干からびて死んでいくだけで苦しかったと思うよ。でも病気じゃないから獣医さんに診て貰っても助からないかもしれないけど、そうなったら最後は皆でちゃんと看取ってやろうね。
とにかく子供達がまた動物が目の前で死んでしまうというショックに陥らぬよう、ワケがわかんないことでも何でも良いから母として必死で間を持たせようとしていた。その間息子達は何も言わずウサギの様子をジッと見つめていた。
藁をもつかむ思いで辿り着いた、過去の診察態度からは決して良い印象のないこの動物病院だったが、ここもまた休み。そうか、今日は皆もゴロゴロしてたい日曜日だった。「Closed」という看板がむなしい。
もはやこれまでか・・・と思いきや、そこの駐車場にトラックが一台入って来て、中からひとりの男の人が降りてきた。つなぎの作業ズボンに大きなシャベル持って工事の人か?
この際誰でもいいから助けて欲しかったので、「この辺に今日開いてる動物救急病院知りませんか?」と尋ねる。
そしたらこのおじさん、即答で「あるよ!」と言って、詳しい道順をテキパキと教えてくれた。おぉーマイガット!神はやはり私達を見放さなかったではないか!(こういう時だけ神様信仰の私)

AEC(Animal Emargency
Center)というその名の通り、動物救命救急センターである。聞けばなんと家からすぐ側じゃあないか!?またまた10分の車中、どうかこのウサギが助かりますように・・・、と祈るような気持ちで病院へ。今度は助かる希望が出てきたのだ。この頃にはもうすっかり高額医療費への覚悟も決まり、ただただ祈るばかり。
中へ入ると待合室には一人だけ。最近
オープンしたばかりといった様子でとてもきれいだった。動物も天気が良いと皆病気をしないのか、ロビーはガランとしていた。受付の女性が無表情にこちらへ顔をむけた。
「子供達が道で怪我したウサギを見つけたんです。交通事故に遭ったみたいで・・・・。」
「何を見つけたんですって?」とまた無表情に聞き返され、私は「野うさぎです。」と言って、恐る恐るウサギの入ったダンボールをカウンターの上に差し出した。すると女性はまた表情ひとつ変えず、
「じゃあ、ここにサインして。」と私の住所、電話番号、ウサギを発見した場所などを書き込む書類を渡して、「書類書いたらあなた達はもう帰っていいから。」という。こっちはとにかくウサギが助かるのか、どんな状態なのか、ちゃんと診てくれるのか、が気になってしょうがなかったので、おろおろしていたのだが、受付の女性は私達のおろおろをよそに、「このウサギはあなたたちのウサギじゃない、ということなので、こちらでこのウサギは預かり、野生に戻るまで面倒をみますから。」ではさよならっ、てかんじでダンボールを抱えて奥の診療室に入って行ってしまった。
えっ?!それだけ?本当?!医療費はいいの?!当然高額な治療費を請求されると思い込んでいた私達は拍子抜けしてしまい、その上事故に遭った野生のウサギを病院が無償で保護してくれるなんて思いもよらなかったのでとても驚く。野生動物保護区でもないのに。意外と懐が広いじゃないですかアメリカ人も!と多分アメリカに来て
はじめてアメリカの社会の
システムの寛容さに感動した。いや、実は私が知らないだけかもしれませんが。
でもどうなのでしょう、日本では?例えば野生動物が怪我してて、獣医さんに診て貰っても、治療費を請求されたりしないのでしょうか?その前に、日本ではあまり野生動物に遭遇することなんて滅多にないのかな。
それにしても動物センターの受付の女性、もうちょっと愛想良くしてくれてもいいものの。ダンボールの中タオルにくるまれていたウサギを差し出した時は、女性は何が出てくるかちょとビビッてた様子だったなぁ。そりゃ事故に遭ったシカを連れ込まれたりすれば、多少迷惑ものかも知れませんがねぇ。これはウサギですよ、ウサギ。
でも、今回は本当子供に教えられました。正直息子らが救おう!病院へ行こう!と言い張らなければ私はこのウサギを見殺しにするところだった。目の前で何もせず消えて行く命を見届けよう、なんて想像するだけでもぞっとする提案だったなぁ。例え助からなくても、助かる可能性を自分らの勝手な思い込みで無視してはいけない、ということ。思い知らされました。
それにしてもいつもののどかな日曜日の朝を一変させたこのウサギちゃんを助けて!事件は我が家の歴史をまたひとつ塗り替える経験だった。
思い返せば思い返すほど、この世は必然であり、偶然はひとつも無いのかもしれない・・・と考える。(はて、これは誰の論だっけ?)
もし今朝が爽やかな日曜じゃなかったら、もし夫が珍しく散歩に行くと言わなかったら、もし私がパンを買って来いと言わなかったら、もし息子が一緒に行くと言わなかったら、私達はあのウサギに出逢わなかっただろう。また、もし息子がウサギを救おうを言わなかったら、もし2番目の誰も居ない病院の駐車場でたまたまトラックが入ってこなかったら、私達はウサギを病院へ連れて行くのをあきらめていたかもしれない。どれも考えるとほんの数分でもズレていれば起こり得なかった出来事なのだ。
今回のテーマは・・・・
「あきらめない!救える命は迷わず救うこと!野生動物も迷わず病院へ連れて行こう!」
ということで、ガラパゴス旅行記を書きあげるのは一体いつになることやら♪